新NISAの戦略を考えるにあたって、いろいろな本やブログや動画、SNSを見たのですが、そのなかでたまに「新NISAは罠」みたいな意見を見かけました。
私は新NISA活用派なので、そういう意見を論破してやりたかったのですが、意外と言ってることが的外れでもないし否定できないなーって思ってました。
特に多かった意見が以下の7個くらいかな。これらを主張する人を説得できるくらいマネーリテラシーが高ければよかったんですが、自分には無理でした。
新NISA否定派の意見で目についたもの
①投資はギャンブル
投資は元本割れの危険がある。
そんなものを国が推奨するなんておかしい!
素人を食い物にして、国民のタンス預金を奪うつもりだ!
確かに言えてる。
よく「投資は投機と違って、長期目線でみれば損しない」なんて言いますが、それも過去の分析から出てきてる話。未来のことは誰もわかりませんからね。たとえ最も安全なリスク資産として有名なアメリカの国債に投資したとしても、アメリカが潰れたら紙切れです。
日本人、特に昔の日本を知っている人は投資に対するアレルギーと呼んでもいい嫌悪感が根底にあるんだと思います。これは過去の「リーマンショック」とか「ITバブル崩壊」とかで損失を被った経験と、そのことを伝えたメディアの力が大きいですかね。
そう考えると、なるべくリスクの少ない現金への信仰が高まるのは自然な気がします。「Cash is King(キャッシュ イズ キング)」なんて格言もありますしね。元本割れを嫌うのは悪いことじゃありません。お金への防御力が高いと言えるんじゃないでしょうか。
「投資ってものがどうしても信じられない」という感情は、どれだけ言葉やデータを用いても論破できる気がしません。「絶対安全」では決してないですからね。
②国が推すものには裏がある
国がこんなに勧めるなんて何か裏がある。
騙されてたまるか~。
国が信じられない人がずいぶん居るんだなー、と感じました。(国というか政府?)
いつから「国vs国民」って構図が出来てしまったんでしょう? 「国に有利な事=国民に不利な事」という方程式が刷り込まれてますね。
確かに今まで日本は増税の連続でしたからね。国ってのは国民のお金を搾り取っていく存在って認識されてしまったのでしょう。(でも、私は正直働いていた時、そんなに税金意識してなかったですけどね。世の中高額納税者が多いのかな?)
「国が信じられない」っていう人に「だいじょうぶ。日本を信じて」なんて言っても意味ないです。論破出来る気がしません。今は住む国も選べる時代ですから、信じられる国で生きればいいですね。
③米国に資金を流すための制度
新NISAで買われるのは大半が米国株
これは米国が裏で糸を引いている!
日本が米国の機嫌を取るための政策だ!
これも確かに言えてる!
新NISAで一番買われるのは絶対「オルカン」か「sp500」ですからね。なんか最近、財務大臣が「こんなに資金が流出するとは思わなかった」的な発言してましたが、前評判の段階から分かりきっていたことです。
米国企業に日本の眠っているタンス預金30兆円が向かったら、それは米国株は爆上がりでしょう。
でも、その分の米国企業の利益を持っていかれると考えたら、米国が日本にそんなに株を買ってほしいとは思わない気がしますけどね。ちなみに、日本の大手企業の3割くらいは外国人株主らしいので利益の3割持っていかれてると考えられます。
とはいえ、米国は経済でも軍事でも最強国家。もしも日本が米国から何か言われてたとしたら、やっちゃうかもしれませんねー。この力関係は否定できるものじゃないですね。
④金融業界を儲けさせるための制度
新NISAで口座開設するひとが増えてる!
これは金融業界を救うために政府が用意した政策!
地銀や証券会社を助けるためにお金を奪われてたまるか~
これも、国と同じように金融業界ってのが嫌われているのかな? いや、特定の業界が得をするのが気に入らないってのが正しいのかな?
確かに新NISAが発表されてから、証券口座の開設ペースは2倍になったそうです。投資信託の信託報酬などで金融業は儲けを増やしていると思います。
だけど「誰かが得をする=自分が損をする」じゃないんですけどね~。金融業界が儲かることと、自分が資産運用的に得をするかどうかってのは別問題なんですよね。
それでも、こういう声が上がってくるってことは、某アニメでも言ってたように『気に食わないからだ。こういうのは理屈じゃない』ってことなんでしょう。
⑤投資なんて少額でやっても意味ない
新NISA枠1800万円も持ってないよ!
少額で投資なんてやっても意味ない!やるだけ時間の無駄。
金持ち専用の制度だ!
これも確かに一理ある!
年率4%~7%って言われているインデックス投資。100万円で運用しても年4万とか7万とかですから、少額では意味ないという意見もわかります。私もそういうのがあるので一攫千金を夢見て個別株取引していますからね。
若くて投資に回せる資金も少ないうちはインデックス投資なんてやってないで、自己投資に回して手取り給料を上げたほうがいいっていうのは正論で、反論する余地ありません。
しかし、私の経験をもとに言わせてもらうなら、この世に一定数は「無能」と呼ばれる人間が存在しているのです。自分が「無能」であるかもしれない保険として、若い時から給料の一部をインデックスに積み立て投資しておくという、言わば「無能保険」をしておくのはいいのでは?
無能でも時間をかけて金持ちを目指せるのがインデックス投資(複利の力)。
でも、有能ならば自己投資がお金持ちになる最短ルートです。無能の私にはこれに関して発する言葉がないのです。
⑥みんなが投資したときがバブルが弾けるとき
今は日本株も米株も高すぎる。バブルだ!
そして、みんなが投資を始めた時がバブルが弾けるとき。
今新NISAはじめたら最高値で買うバカになるぞ。
これもわかる話です。バブル相場で一番損をするのは「最後の買い手」です。
基本的に株式投資では「安い時に買って高い時に売る」が鉄則ですから、「日経平均が史上最高値ならば買う時ではなく売る時なのでは?」 う~ん、正しいように聞こえます。政府はこの売りつける相手として、国民を新NISAで引っ張り出して「最後の買い手」にしようとしている。
昔話で有名な「靴磨きの少年」で調べればわかりますが、投資なんてしなさそうな人まで投資を始めた時が暴落の予兆と言われています。この仕組みは、
①凄腕投資家が安い時に株を仕込む。
②普通投資家が買い始めて株価が上がる。
③投資知識のない人まで周りの話につられて株を買う。
この③の段階で①で買っていた凄腕投資家は売って利益確定をするので株価は暴落します。③のあとに買う人が居ないからですね。
こうして見ると、確かに新NISAで知識のない人まで「とにかくオルカン」って投資を始めたら状況は③に近いと言えるでしょう。論破できません。
⑦年金破綻する
年金システムが破綻するから国民は自分で老後資金を稼げってこと?
そんなの無責任だ!
これに関しては当たり前。まあ年金は破綻はしないかもしれないけど、貰える額は減りそうだよねって思いますね。労働人口が減っているんだから、これはほぼ確定路線かと。(AI技術の発達で生産効率が激変すれば違う可能性もあるのか?)
この話を論破する気はないですが、「年金があてにならない」と思うならばこそ、自分で資産形成はしておいたほうがいいでしょう、と思います。
それでも結局
それでも結局は新NISAをやったほうがいいと、私は思います。
株価ってのは、いつかはバブルが弾けて暴落するものです。だからといって、それを恐れていてはいつまでもジリ貧のまま人生を変えることはできません。(私のような無能は特に)
重要なのは、いつどのくらい暴落するのか誰にもわからないということ。暴落を警戒して株を買わなかったとします。三年後に暴落が起こったとして、その暴落後の株価が三年前より上だったら三年前の判断は間違いだったということ。
そもそも、バブルが弾けて暴落したら、ささっと逃げればいいんです。底値まで付き合う必要はありません。世の中の情報をちゃんと追っていれば暴落が来たらわかるはず、と投資の偉い人が言っていました。
せっかく国が用意してくれた制度です。自分が得する間だけ利用して、損しそうになったらシッポを巻いて逃げましょう。というのが無職系おじさんの考えです。
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