今年伸びそうなテーマ「レアアース」について整理

株日記

 最近、「南鳥島のレアアース」関連のニュースをきっかけに、一部の投資家が動き始めているように感じています。
 株価が先に反応し、あとから理由を探す──いつものテーマ株の動きですが、今回は少し腰を据えて整理しておきたいと思い、株日記としてまとめておくことにしました。

 結論から言えば、夢はあるが、現実はかなりシビアなテーマだと考えています。

「レアアース」とは何か?レアメタルとの違い

 まず言葉の整理から。

  • レアアース
    → 化学的に定義された「17元素」の総称
    (ネオジム、ジスプロシウムなど)
  • レアメタル
    → 「希少で産業的に重要な金属」の総称
    明確な化学定義はなく、政策・時代背景で変わる概念

 つまり、
 レアアース ⊂ レアメタル
 という関係ではなく、定義の軸が違う言葉です。

 今回、中国との関係で問題になっているのは、主にレアアース(特に重レアアース)です。

 

なぜ「レアアース」が重要なのか

 レアアースは量としてはごくわずかですが、代替が効かない用途が多いのが特徴です。

  • EVモーター用の高性能磁石
  • 風力発電
  • 半導体製造装置
  • 軍事・航空宇宙分野

 特に問題なのは、
「無くても困らない」ではなく
「少しでも止まると産業全体が止まる」
という性質を持っている点です。

 

なぜ中国依存なのか

 レアアースの世界的な中国依存。よく言われる理由は「埋蔵量」ですが、実態はもう少し複雑です。

 中国が圧倒的なのは、

  1. 採掘・分離・精製の技術蓄積
  2. 国家主導による長期投資
  3. 環境規制・廃棄物規制の緩さ
  4. 圧倒的なスケールメリット

 この 4点が同時に成立している からです。

 特に重要なのは、
 レアアースは「掘る」より「精製する」ほうが圧倒的に厄介
 という点です。

 精製過程では大量の廃液・廃棄物が出ます。
 中には放射性物質を含むものもあり、日本国内では技術以前に規制の壁が高いのが現実です。

 

今から日本が追いつけない理由

 「技術が進めば日本でもできるのでは?」
 という疑問は自然だと思います。

 ただし、現実には以下の壁があります。

  • 技術ブレイクスルーがあってもコストは下がらない
  • 規制を完全に中国並みに緩めることは政治的に困難
  • 商業スケールまで行く前に資金が尽きやすい
  • 中国はすでに数十年分のノウハウを持っている

 結果として、
 日本が中国より安く大量にレアアースを作れる未来は、ほぼ無い
 と考えています。

現実的な落としどころ

 では、南鳥島や国内開発は無意味なのかというと、そうでもありません。

 現実的な落としどころは、

  • 中国依存を「ゼロ」にすることではない
  • 有事の保険・交渉カードとしての確保
  • 一部重要用途の最低限の内製化

 つまり、
 「安く儲かる産業」ではなく
 「高くても必要な戦略資源」

 という位置づけです。

南鳥島レアアースの実態

 南鳥島周辺で確認されているのは、いわゆる
「レアアース泥」 です。

  • 海底に泥として広く分布
  • 品位は比較的高い(特定の重要元素の比率が高い)
  • ただし水深が深く、回収コストが高い
  • 精製工程の難しさは中国と同様に存在

試算上の埋蔵量は非常に大きいとされていますが、
それはあくまで 「理論値」 です。

商業採掘となると、

  • 探査
  • 掘削
  • 揚泥
  • 脱水
  • 精製

と多くの工程が必要で、中国の陸上鉱山と単純比較はできません。

動き始めている銘柄について

 関連銘柄を見ていて、私は次のように整理しています。

探査・掘削(ツルハシ銘柄)

  • 国の予算・研究開発で仕事が発生する
  • 商業化しなくても一定の需要がある
  • テーマが続く限り材料が出やすい
 三井海洋開発〈6269〉や石油資源開発〈1662〉あたりかな?

精製・素材

  • 商業化しないと利益にならない
  • 環境規制リスクが極めて高い
  • 成功すれば大きいが、確率は低い
 住友金属鉱山〈5713〉や三菱マテリアル〈5711〉とか?こちらは今、AI需要からの銅への期待とかで株価が上がってそうなので期待値の盛り込みが難しそう。

 投資リスクは後半のほうが圧倒的に高いと感じています。

自分の投資方針

 以上を踏まえた私自身のスタンスは、

  • 基本は静観
  • 動くとしても「ツルハシ銘柄」を少量
  • 短期のテーマ追随ではなく、長期保有前提
  • 南鳥島が失敗しても本業が成り立つ企業のみ

 探査・掘削の銘柄においても、「国の予算が出る=企業の利益になる」とは限らない点(研究開発費で相殺される、または一過性の特需で終わるなど)は注意が必要なので長期で持ちながらもニュースと決算はチェックしないといけないでしょうね。

「夢のある話」ほど、
どこで誰が確実にお金をもらえるのか
を見るようにしています。

 また、南鳥島での採掘が成功したとしても商業採掘が安定軌道に乗るまでには、さらに5年、10年単位の時間がかかる可能性があります。

 すると、もう一方の可能性として「レアアースの供給リスクが高まれば高まるほど、世界中のメーカーは『レアアースを使わない技術』の開発を加速させる。供給網が完成した頃には、需要そのものが減っているというシナリオもあり得る」という技術的リスクも忘れないようにしないとですね。

 

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